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一年ほど前のある日、突然 “日本料理”に目覚めた。ル・クルーゼで作った「ナスの煮物」が、思いのほか 旨く出来たからである。
それまでの料理といえば、野菜炒め(中華料理)やスパゲッティ(イタリア料理)、オムレツ(フランス料理)ぐらい。野菜や魚は 何分煮れば柔らかくなる? 水の量は どれくらい? 皆目 見当がつかなかった。ところが、鋳物ホーロー鍋である ル・クルーゼを使うと、調味料の水分だけで 水は要らない。ナスから出てきた 旨みタップリの水分が 調味料と混ざり、蒸発することなく また ナスに帰っていく。つまり ダシもいらない。ナスが ほどよい加減に 煮上がったころ、水分は ほとんど 残っていない。

以来、ぶり大根、肉じゃが、イワシの梅煮、サバの味噌煮、いり鶏などを作った。一つだけだった ル・クルーゼも、5種類に増えた。
味噌汁やカレーも 最近は ル・クルーゼを使う。味噌汁やカレーは もちろん それ相当量の水を入れる。熱が 鍋全体に行きわたり、水分が逃げることも 少ないので、金物の鍋で作ったものより、味が まろやかに仕上がり、食材の旨みも 残るようだ。

料理の先生は 本、テレビと大先輩のオクサン。料理に限らず、XXスクール というのが苦手で、登山も、OOクラブやツアーに 参加したことがない。そのかわり 進歩がない。あるいは、あっても すぐ 頭打ちになる。

料理の効用の一つは 頭を使うことだ。山登り、自転車漕ぎ、水泳で、体を動かすほうは、何とか 間に合っている。しかし、今の私に欠けているものは 脳の活性化。オクサンが 仕事から帰ってくる時分に タイミングよく、料理を仕上げるには、けっこう 手順や手はずを 考えなければならない。
脳の活性化といえば、このブログも たいそう 役立っている。文字通り、シンプル(単調)なライフ(生活)から 題材を探し、探した平凡な題材を それなりの文章にまとめるには、頭脳的苦労を強いられる。

話が脇道にそれたが、今の私の“脳力”では、一食一品が限度。せいぜい 味噌汁を添えるぐらいで、二つ同時となると もうパニックである。しかも、その一品も まだ、食材を適当に切って、ル・クルーゼに入れ、調味料を加えたら、あとは ル・クルーゼまかせ、というレベルである。

以下、私の(ル・クルーゼが作る)レシピを いくつかご紹介します。興味ある方は、[続きを読む]で、詳細なレシピをご覧ください。

NASUnoNIMONOナスの煮物
私の(片目)開眼となった 記念すべき料理。八百屋では 必ずナスをチェックする。そして お買い得であれば、買ってくる。
作り方は、大きめに切ったナスと タップリ目の削り節を、交互に ル・クルーゼに入れ、醤油、酒、ミリンを加え、あとは 弱火で煮込むだけ。でも なかなか味がいい。料理法が簡単なので、大きく失敗することもない。
ナスから 少々 アクが出るが、気にしない。削り節を入れることが、ポイントといえばポイント。

SABAnoMISONIサバの味噌煮
これは すこし 手がこんでいる。
まず、サバ(切り身)は、塩をふって しばし 寝かせる。つぎに、サバを起こし、熱湯をかけ 冷水でサッと洗い、水気をよくとる。味噌は 2度に分けて入れること、落とし蓋をすること。鍋はル・クルーゼでもよいが、ル・クルーゼは 強火を嫌うので、無水鍋の中蓋を使っている。
以前は 魚といえば、アジやイサキの塩焼きや 出来合いのマグロの刺身だったが、今では イワシやサバなど、青身の煮魚が 食卓に上がることが多い(サンマはやはり塩焼きが一番だが)。オクサンにも かなり 好評な料理である。

HISUIMEN翡翠麺ひすいめん
ごく最近 放映されたNHK「ためしてガッテン」から 仕入れたレシピ。ご覧になった方も あるだろう。
鶏がらのスープに、水洗いした ほうれん草をサッと入れて、サッと上げる。スープに、サラダオイルとチリメンジャコを 入れるところがミソ。これで、ほうれん草のもつ エグミの素であり かつ 結石の原因ともなる シュウ酸を 封じ込めることが できるらしい。
私だったら 「ほうれん草のシャブシャブ」と命名するところだが、さすがはプロ。見た目の美しさから(味ももちろん抜群)、「翡翠麺」とは 粋な名前を つけたものである。
土鍋でよいが、土鍋が割れてしまった我が家では、浅くて広いタイプのル・クルーゼを使う。

ル・クルーゼは フランスで生まれたものだから、もちろん フランス風料理もできるわけだが、今のところ、和食のリピートである。レパートリーが増え 両目開眼したら、またブログに書くこととしよう。

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ナスの煮物
①中ぐらいのナス4本を 大きめに切り、ル・クルーゼに並べる。合間に 削り節を入れる。
醤油大さじ3~4、ミリン各大さじ2を ①に加え、弱火で 2~30分 煮る。
③ナスに味がしみて 煮汁がなくなったら、出来上がり。煮汁が残るようであれば、火を強めにして、焦げつかないように 注意しながら、水気を飛ばす。
注:水分は ナスから出てくる量で 十分だが、その量が足りない心配があれば、少々 水を入れる。

サバの味噌煮
サバの味噌煮は いろいろな調理法が あるだろう。私の調理法は90%がた、平野由紀子著:「『ル・クルーゼ』でおいしい和食」(株式会社 地球丸)に従っている。
サバ4切れ(切り身)は、皮に 十文字の切り込みを入れ、両面に塩をふって、10分ぐらい 寝かせる。10分後、サバを ざるにとり、両面に熱湯をかけ 冷水で洗って、水気をふく。
②鍋に、1/2カップ、1/2カップ、大さじ2を入れ、強火で煮立てる(ここが無水鍋を使う理由)。煮立ったら、①のサバと、刻んだ生姜を入れ(平野さんはなし)、中火にして 煮込む。
味噌大さじ4~5を 煮汁少々で 溶いておく。
④煮立ったら、ミリン1/2カップを入れ、③の味噌半分を サバにかけるように 加える。オープンペーパーなどで 落とし蓋をし、煮汁がトロリとするまで 弱火で煮る。
⑤落とし蓋をとって、適当な大きさに切った 白ネギ(平野さんはピーマン)をいれ、③の残りの味噌を加え、一煮たちさせる。

翡翠麺
鶏がらのダシ汁を 2㍑以上 を作っておく。
②ル・クルーゼに、サラダ油大さじ4、①の鶏がらダシ汁2㍑、粉サンショウ小さじ1/2、チリメンジャコ150㌘を入れる。調味料として、醤油大さじ1、小さじ1、こしょう少々、紹興酒大さじ1を加え、5~6分 沸騰させる。
※チリメンジャコ(シラス干し)は かなり 高価なので、また、摂り過ぎは コレステロール増加の原因ともなるので、我が家では 半分くらいにしている。
③水洗いし、根っこはよく洗い、束を1~2本づつに分けた ほうれん草を ②に入れ、“シャブシャブ風に”食べる。ほうれん草の量は適宜(一束ていど?)。

※尿路結石の原因になる シュウ酸の動向は 気になるところ。
「ためしてガッテン」によれば、(1a)唾液中のカルシウム[Ca]が シュウ酸と結合し、それが小腸で吸収され、血管を通って 腎臓に入るか、(1b)シュウ酸が小腸で吸収され、腎臓内のCaと結びついて 結石となり、 尿管に送り出される、とのこと。
茹でると シュウ酸は激減するが、ほうれん草の旨みや甘み成分も 大幅に抜けてしまう。ところが、(2)油でガードすると、シュウ酸は 唾液のCaと 結合しにくくなる。また、(3)チリメンジャコを入れると、シュウ酸は 唾液中のCaと結合する前に ジャコのCaと結びつく。その結合体は大きいので、小腸で吸収されることなく、大腸を通って 体外に出てしまう…のだそうだ。ほうれん草のおひたしに カツオ節をかけるのも、同じ効果がある。
ということは、チリメンジャコのCaは(大半) 捨てているということ? また ほうれん草とチリメンジャコの 安全な量的関係は?・・・ 今後の調査課題である。
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